「残像」 1999年作

 「ここにあったのに----」いつも見てきたものに今日は会えずに通り過ぎた。しばらくして、振り返って見直す。
 “存在していたはず”に最も気がつかされるときは、その“もの”がそこから失われてしまったときだろう。 でも私は、失われたことに気がつく前にその存在を意識したかった。
 実際、そこにある“もの”は、確実に過ぎる時間の中でいつも何の変化も見せなかった。
 ただ、おぼろ気ながらも「確か---」と感じる“気配”と呼べるようなもの、“記憶”と呼べるようなものをそこに見つけた。
 日々淡々と、目の前の景色を見て、私がそれを辿るための何かがあるとしたら、誰もが見過ごし通り過ぎるかもしれない光(気持ち)の残りを探すことだろうかと…・。

南島絵里子(高46回)
1975年 飯田市 松尾生まれ

  94年 飯田高校卒

       東京工芸大学芸術学部写真学科卒

  99年 同大学研究生課程終了
      富士フォトサロン新人賞1999
      写真展「残像」
      (東京銀座富士フォトサロン)

      フォトグラファー 東京都練馬区在住
      03-5984-5927aai01120@16.odn.ne.jp


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