高17回生の諸君へ

前学年代表幹事 中島康夫

諸君にはそれなりに元気で頑張っていることと拝察します。
我々も昭和21・22年生まれであり、広義の「団塊の世代」と言えるでしょう。諸君には夫々に考え、悩みなどあろうかと思われます。次の文章はある出版社の広告です。時にはこれに目をやって、これからの人生を中味のあるものにして行こうではありませんか。お互い頑張ろう。 

団 塊 は、 資 源 で す。

団塊は熱
いるだけで密度のちがう空気を放つ
団塊は波
引いたかと思えばまた寄せてくる
団塊は数
ばらばらに見えてたちまち整列をする
それが自覚的であれ無自覚であれ
団塊はその塊で 前にある壁を蹴散らし
あとには瓦礫と足跡と道を残す
埃っぽく騒々しい しかしそこには痛快がある
日本はこれからも年齢を重ねていく
しかし老いとはちがう何かが待っている気がする
かつてどの時代 どの国でも起こっていないことを
団塊がしでかしてくれる気がする
団塊はエネルギー
しぶといしぶといエネルギー
きっと団塊は死ぬまで退場しない
あとの人々は半ばあきれながらも楽しそうに
彼らの背を追いかけていく
(宝島社)

広 告 意 図
団塊の世代は戦後日本において様々な現象の中心となってきました。最近では、彼らのリタイアが間近に迫っていることから「2007年問題」として語られることも増えています。しかし宝島社は、そういう節目こそ、これからの日本にとって大きなチャンスであると考えます。常に新しい波を起こしてきた団塊の世代は、もしかしたら日本におけるリタイアの概念さえ変えてしまうのではないか。仕事においても遊びにおいても、個人でも家庭でも、高齢になることが必ずしも老いを意味しない世の中、そういう新しい時代に、彼らが一気にジャンプしてくれる予感がするのです(当然、企業や自治体や国がどう係わるかが大きいのですが)。それによって下の世代にもたらされるインパクトもすごいものとなるでしょう。この広告は、団塊の世代へのエールということにとどまらず、彼らをこの国が持つ膨大なエネルギー源、この国固有の貴重な資源と考えることで、日本そのものが「少子・老化」ではない新しい歩き方を発見できるはずだ、ということを広くアピールするべく企画・制作されたものです。