最近、「オルカン」という言葉を耳にしたことがある人も多いかもしれません。
正式には「全世界株式(オール・カントリー)」
世界中の企業に分散して投資する考え方で、新NISAの広がりとともに、多くの人に知られる存在になりました。
その“オルカン”という考え方を、日本に広く伝えてきた人物の一人が、飯田高校卒業生の代田秀雄さん(高33回)です。
代田さんは、長年にわたり資産運用の第一線で活躍され、近年はGakkenより、
『オルカン思考』を出版。
「長い時間で物事を見ること」
「焦らず積み上げること」
「世界の成長を信じること」
を、多くの人に伝えてきました。
今回のインタビューでは、代田さんから、単なる“資産形成”だけではない、その先にある「人生の豊かさ」と「地域の未来」についてお話を伺いました。
南信州という土地。
そこで育まれてきた人の気質。
時間をかけて積み上げる文化。
そして、本当の豊かさとは何か。
世界を見てきたからこそ見える、“南信州の価値”。
「地域のブランドとは何か」
「人が地域をつくるとはどういうことか」
「なぜ南信州には“急がない強さ”があるのか」
について、じっくり語っていただきました。
派手ではない。
でも、深い。
そんな南信州の魅力を、
代田さんの言葉を通して、改めて感じていただければと思います。
第1回
「南信州をブランドにできるか」
― 東京や世界を見る立場になった今、逆に“南信州っぽさ”を感じる瞬間って、どんなところですか?
南信州らしさは、派手さではなく、深さにあると思います。
山や川、果樹、食、歴史、教育、地域の人の自立心などが、静かに積み重なっている。東京に出て、世界のマーケットや都市を見てきたからこそ、南信州には“急がない強さ”があると感じます。
― 「自然が豊か」という言葉だけでは説明しきれない魅力が、南信州にはありますよね。
そうですね。
南信州の価値は、単に自然がきれいということではなく、自然と人の暮らしが近いところにあると思います。山があり、川があり、果樹があり、祭りや教育があり、人の顔が見える暮らしがある。
それを一つひとつの観光資源としてではく、“南信州で暮らすこと、訪れることの意味”として語れるかが大事です。
― 本当にブランド力のある地域って、「有名だから強い」というわけではない気がします。
ブランド力のある地域は、自分たちの価値を自分たちの言葉で説明できます。
単に名物がある、観光地があるということではなく、「私たちは何者なのか」「何を大切にしてきた地域なのか」が伝わる。
南信州も、外から見た魅力だけでなく、地元の人自身が誇れる物語を持つことが重要だと思います。
― 南信州って、わかりやすい観光地ではない。でも、何度も来たくなる人がいます。
派手な観光地ではないからこそ、むしろ本質的な魅力があるのではないでしょうか。
南信州には、消費する観光というより、滞在して、歩いて、食べて、人と話して、少しずつ良さがわかる魅力があります。
今の時代は、わかりやすい観光地だけでなく、“深く味わえる地域”への関心が高まっていると思います。
― 結局、地域の魅力って、「人」に戻ってくる気がします。
地域ブランドの中心は、結局は人だと思います。
どれほど自然や食が魅力的でも、そこに暮らす人が自分の地域を大切にしていなければ、外には伝わりません。
逆に、地元の人が誇りを持って語れる地域は、外の人にも魅力的に映ります。
地域の最大の資源は、景色ではなく、その景色の中で生きている人だと思います。
「取材を終えて」
今回、代田さんのお話を伺いながら、私は何度も「南信州らしさ」という言葉を思い返していました。
派手ではない。
すぐに結果を求めない。
でも、時間をかけて、人を育て、地域を育て、信頼を積み重ねていく。
それは、代田さんが語る「長期投資」の考え方とも、どこか深く重なっているように感じました。
効率やスピードが求められる時代の中で、
南信州には今も、“急がない強さ”が残っている。
そして代田さん自身もまた、
世の中の短期的な熱狂や流行とは少し距離を置きながら、「本当に大切なものは何か」を問い続けている人なのかもしれません。
次回、第2回のテーマは、
『「世の風潮と闘う」とは何か』
投資、教育、地域、そして人生。
代田さんが考える、
「流されずに生きる」ということについて、
さらに深くお話を伺います。
(中京支部 所澤 真 高33回)







