井坪幸一さん(高19回)が、「飯田弁」の用語や用法、その成り立ちなどから見える飯田人の風土に至るまでを考察した「南信濃方言風土記・飯田弁に見る飯田人の流儀」(南信州新聞社出版局)を出版しました。ペンネームは風越亭半生(かざこしてい・はんしょう)

井坪さんは、飯田高校卒業後 東京の大学で漢文や国文学を学び、都内の夜間中学で日本語学級の教師などを務めました。同時に飯田弁の研究を始め、30歳頃に飯田に戻ると仕事の傍ら研究を進め、飯田弁の語彙(ごい)などをまとめた本「飯田弁標本箱」を自費出版しました。

平成21年4月から約6年、飯田エフエム放送で「風越亭半生」としてパーソナリティーを務め、「風越亭半生のあのなむし」「半生の読み語り劇場」などを担当。
番組では、飯田弁におけるわずかな用法の違いで表現される敬語の敬意の度合いや、関西と関東の言葉の交差点として独自の発展を遂げた飯田弁の魅力を、常に分かりやすく、時に講談や落語の口調も交えて面白く伝えました。

令和1年9月からは南信州新聞で、「飯田弁に見る飯田人の流儀」のタイトルで連載を開始。今回、令和4年7月までの150回分をまとめ、同タイトルで出版。本文は「実際の空気感が伝わるように」と会話形式で進められ、アクセントも分かるよう表記している。

飯田弁は「優美で重層的な敬語表現の発達」「文末表現の多彩さ」など、言語の進歩の観点からとても発展した言語だとし、「高度な言語体系を持っている飯田弁の素晴らしさを知ってほしい」と話す。

価格は2,750円。平安堂飯田店・座光寺店と南信州新聞社の窓口で販売しています。

(高19回 下平 薫)
HP委員会 高田