■ ― 中京支部応援団、いざ花園へ ―
12月28日朝、近鉄名古屋駅改札口前に集合した中京支部メンバーは、世代も立場もさまざま。
しかし目的はただ一つ、「花園で戦う母校飯田高校を応援する」事です。
応援ツアーメンバーは、高17回佐々木孝治顧問、高24回佐々木一衛支部長、大蔵弘幸さん、高25回大野武司さん、高26回池田勇人さん、山田肇事務局長、竹下茂さん、高34回安藤和明さん、高39回岡庭隆志さん、高62回片桐康策さん、高33回筆者の11人。
移動中の「近鉄特急ひのとり」の車内は、対戦相手の情報交換や選手への期待が語られ、花園へ向かう時間そのものが、かけがえのない同窓のひとときとなりました。
【1回戦 倉吉東 戦】
―― 飯田高校らしさを全国の舞台で――
近鉄東花園駅を降りて、全国高校ラグビーの聖地・花園ラグビー場へ。
メインスタジアム前に立った瞬間、「ここで飯田高校が戦うんだ」という実感が、静かに胸に広がります。
既に緑の応援タオルやスタッフジャンパーを身にまとった選手の父兄、OBOG、地域の関係者が集合しています。
前の試合終了後すぐにスタンドへ移動。着席すると間もなく試合開始のホイッスルが鳴りました。
試合は、磨き上げてきたドライビングモールと粘り強いディフェンスが存分に発揮され、飯田高校が主導権を握る展開に。
一つひとつのプレーに込められた集中力と連携は、日々の積み重ねの成果そのものでした。
点差が広がっても、決して手を抜かず、最後までトライを狙い続ける姿勢。
その姿に、スタンドの同窓生からは何度も大きな拍手が送られました。
飯田高校 82 ― 0 倉吉東高校
花園での堂々たる勝利は、選手たちの努力と、支えてきた地域・関係者すべてへの最高の報告となりました。
■ ノーサイド
試合終了後、スタジアム前で勝利の余韻に浸っていると、選手たちが各自荷物を分担して抱えながらやって来ました。
選手を代表して3年キャプテンのNO8小池勇誠選手が挨拶。
「去年ここで負けてから一回戦に勝つためにやって来て、今日勝てたのは地域の皆さんのお陰です。次の相手は強豪ですが自分たちがやって来たことを全て出して、公立校の意地を見せつけます。」
小池キャプテンが話し終わると、「頑張れーっ!」という大きな声援と共に周りから自然と拍手が沸き起こります。
結果だけでなく、飯田高校ラグビー班が積み重ねてきた過程に、深い敬意と誇りを感じるひとときでした。
■ 3支部合同祝勝会(関西・首都圏・中京)
場所を道頓堀の「シルクロードレストラン ムカーム」に移して関西支部・首都圏支部・中京支部合同の祝勝会。
関西支部から8名、首都圏支部から2名、中京支部から8名の同窓生の参加です。
この祝勝会は関西支部 大平文人支部長(高20)(写真右)の企画で会場の手配までしてくださいました。
祝勝会の席では、ラグビー班OBで飯田高校卒業後、筑波大学ラグビー部、豊田自動織機でプレーした片桐康策さん (高62回)に、試合の振り返りと次戦目黒学院戦の観戦ポイントを教えていただきました。
片桐さんは、「集中した立ち上がりとFWのセットプレー、粘り強いディフェンスが勝因」とし、「次戦は規律を保ちペナルティを減らすことが重要」と冷静に展望。
現役時代に大学・社会人の厳しい舞台を経験してきたOBならではの視点に、諸先輩方も大きくうなずきながら耳を傾け、祝勝会は試合の余韻と次戦への期待に包まれました。
大阪難波駅構内の立ち飲み屋「道頓堀 麦酒スタンド。
一回戦の大勝利に気分も上々。帰路に着く前にビールジョッキを傾けながら、試合の余韻を楽しみました。
【2回戦 目黒学院 戦】
12月30日朝、高26回の池田勇人支部役員、山田肇事務局長、竹下茂さん、高33回の筆者の4人のメンバーで再び近鉄名古屋駅から花園に向かいました。
私は一昨日の試合ぶりから、飯田高校があの強豪目黒学院を相手にジャイアントキリング(格下のチームや選手が圧倒的に強い相手に勝利する「番狂わせ」を起こすこと)を起こすんではないかと密かに思い、高鳴る鼓動を抑えられませんでした。
試合会場で、第一試合・祝勝会でもご一緒した首都圏支部北澤幸夫さん(高24回)と合流。
―― 全国トップレベルと向き合った80分
迎えた2回戦。相手は全国屈指の強豪校。
キックオフ前、スタンドには緊張感とともに、「思い切ってやってほしい」という温かな空気が流れていました。
試合は序盤から厳しい展開となりましたが、どれだけ点差が開いても、飯田高校の選手たちは決して下を向きませんでした。

低く鋭いタックル、必死に前へ出ようとする姿勢。
「まだ終わっていない」――その気持ちは、スタンドにも確かに伝わってきました。
最後までトライを目指し続けた80分。
飯田高校 0 ― 115 目黒学院高校
結果は大差となりましたが、全国最高峰の舞台で得た経験は、必ず次の世代へと受け継がれていくはずです。
■ ノーサイド
試合終了の笛が鳴ると、スタンドからは自然と大きな拍手が起こりました。
勝敗を超えて、花園で戦い抜いた選手たちへの感謝と敬意を込めた拍手です。
「ありがとう」
その一言に、同窓生一人ひとりの想いが凝縮されていました。
試合後メインスタジアム前で、3年キャプテンの小池勇誠選手が飯田高校ラグビー班を代表して挨拶。
「ここまで来られたのは地域の方々の応援のお陰でした。」という小池キャプテンの言葉が印象的でした。
右小池キャプテン、左加藤次期キャプテン
小池キャプテンから次期キャプテンとして2年SH加藤雄志くんが指名され、来年は県大会3連覇を目指すと力強く宣言してくれました。
来期への私たち同窓会メンバーの期待も膨らみます。
■ ネクストマッチ・ミーティング@総本家生そば伊吹
試合後、中京支部の4人に首都圏支部高24回の北澤幸夫さんも加わって、東花園駅近くの「総本家生そば伊吹」で、来期を見据えたネクストマッチ・ミーティングという名の飲み会スタート。
皆んなで1回戦の快勝、2回戦で得た経験を振り返りながら、世代を超えて語り合う時間が生まれました。
「常にこの舞台に立ち続けることが何より大切だ」
「来年もここで戦う彼らを見たい」
そんな言葉が自然と交わされ、飯田高校ラグビー班への応援が、これからも続いていくことを改めて確認しました。
■ 応援を通して感じたこと
― 高校ラグビーの二つの姿 ―
今回、花園で飯田高校の試合を応援する中で、私は現在の高校ラグビーが持つ二つの姿をあらためて感じました。
一つは、地域に根ざした公立高校の部活動としてのラグビー。
限られた環境の中で工夫を重ね、仲間とともに努力し、学校や地域の代表として花園に立つ姿には、部活動本来の教育的な価値が色濃く表れています。
もう一つは、全国から選手を集め、明確に全国制覇を目指す強化型の高校ラグビーです。
高い競技力は、日本ラグビー全体のレベル向上に大きく貢献しています。
一方で、両者が同じ舞台で対戦することで、試合結果が大差となる場面も見られます。
これは特定の学校の問題ではなく、高校ラグビー全体が抱える構造的な課題と言えます。
■ スポーツ推薦のない公立進学校の現実的上限
私はそれでも「努力の結果が0-115か」という不条理に現実を消化出来ず、2000年以降の「スポーツ推薦枠なし/競技別強化なし」の公立進学校が、野球・サッカー・バスケ・バレーの4競技において全国大会2回戦突破した事例を調べてみました。
結論、全国大会で2回戦突破したのは、2007年夏の甲子園優勝の佐賀北、同年全国高校サッカー選手権準優勝の藤枝東の2校のみでした。
ラグビーにおいても、高校ラグビー全国大会(花園)で2回戦を突破(=全国大会で2勝以上)した確実な事例は確認されていません。
飯田高校のラグビー全国大会1回戦突破2回戦進出は、勝敗の数字では測れない他競技(佐賀北・藤枝東)と同じ文脈で語れる教育的・歴史的成果です。
スポーツ推薦なしの公立進学校の現実的上限
花園出場 : 全国レベルの成果
花園1回戦勝利 : 極めて稀(奇跡に近い)
花園2回戦突破 : 確認事例なし
飯田高校ラグビー班の花園出場は、スポーツ推薦に頼らない公立進学校が到達し得る「全国大会での最高到達点」であり、1回戦勝利2回戦進出は「ほぼ奇跡」と全国的にも位置づけられます。
花園は、勝敗だけでなく、それぞれの立場で真剣に挑戦する高校生の努力が等しく尊重される舞台であってほしい——
それが、今回応援に参加した同窓生の率直な思いでした。
尚、今大会で福岡第二地区代表の県立筑紫高校が3回戦進出を果たしており、九州大学や複数国公立大学への進学を実現している「スポーツ推薦枠なし/競技別強化なし」の公立進学校としての現実的上限を突破しています。
これは偶然ではなく、規律と組織力を武器に全国で結果を残した戦いぶりは、飯田高校のような公立進学校が全国で勝ち上がる一つの理想像を示したと言えます。
■ 中京支部として
飯田高校ラグビー班が示してくれた、
- 82点差の勝利も
- 115点差の敗戦も
そのすべてが、次の世代への確かな財産です。
花園という特別な舞台で、飯田高校ラグビー班は確かに戦い、確かな足跡を残しました。
これからも結果だけでなく、挑戦する姿そのものを誇りとして中京の地から母校と後輩たちを応援し続けて参ります。
私たち飯田高校同窓会中京支部では、母校のラグビー班の応援が初めての方でも、久しぶりの再会を楽しみたい方でも大歓迎です。
次回の花園ラグビー応援ツアーで、そして飯田高校同窓会中京支部で、またお会いできることを楽しみにしております。

(高33回 所澤 真)














