飯田高校同窓会中京支部の有志企画、ツアー名「飯田線で行く冬の南信州湯けむり利き酒ツアー」に会員5名が参加しました。
参加メンバーは、佐々木一衛さん(高24回)、大蔵弘幸さん(同)、池田勇人さん(高26回)、山田肇さん(同)、筆者所澤真(高33回)です。
このツアーが企画されたそもそもの切っ掛けは、一昨年の支部忘年会を期に入会した会員が支部LINEグループに新たに加わり、思い思いに趣味や旅行記をグループLINEに投稿するようになったことです。
筆者の私も世界的に有名な乗り鉄・スーツさんのYouTube「上諏訪→豊橋間飯田線乗り通しの旅」を投稿したところ、直後の中京支部恒例納涼ビアパーティーで誰からともなく(おそらく大蔵さん)飯田線のツアー組もうよと発言したのがスタートでした。
特別参加の喜久水酒造後藤髙一社長(高27回)から、ぜひ立ち寄って酒蔵見学してくださいというありがたいお言葉をいただき、早速ツアーの企画に入りました。
2月19日朝、JR豊橋駅改札口にて待ち合わせ。名物の壺屋弁当部特製「ありがとう213系オリジナル弁当」にビール、酒、おつまみを買い込んで、10:08豊橋発JR特急伊那路1号飯田行に乗り込みました。
車内に入ると予約した指定席は中央にテーブルの付いているボックス席。飯田線は豊橋駅を出てもしばらくは街中を走るため、車窓を眺める前に旅のを安全を祈念してとりあえず「乾杯!」
豊橋駅を出発した列車は、少しずつ街並みを離れ、やがて山あいへ。 車窓いっぱいに広がるのは天竜川の清らかな流れと、南信州の山々です。対岸の山肌にはうっすらと雪が残り、杉木立の濃い緑と淡い白が織りなす冬景色が続きます。
メンバーは皆NHK BSの「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」を意識して、最初はゆっくりのんびりお酒を飲み始めましたが、そのうち定期的な心地よい振動がなぜか飲酒のピッチを早め、当初想定していた車窓からの奥三河、南信州の大自然もほとんど堪能することなく12:24天竜峡駅に到着。天竜峡駅で降りて、12:33JR飯田線普通列車辰野行に乗り変え、12:59切石駅で降りました。
駅には中京支部会員宮島元子さん(高27回)がお出迎え。宮島さんは長らく名古屋で弁護士をされていましたが、現在は拠点を高森町に移され喜久水酒造株式会社社外取締役を兼任されています。
ツアー名の通り、最初の訪問地は南信州唯一の酒蔵「喜久水酒造」での酒蔵見学・利き酒会です。宮島さんのご案内で喜久水酒造本社工場会議室にて後藤喜久水酒造社長とご対面。後藤社長は大学卒業後名古屋で勤務された元中京支部会員です。
後藤社長より創業の歴史、社名の由来や酒造りへの思いを丁寧にご説明いただきました。酒蔵見学では、仕込みを終えた大きなタンクが静かに並び、蔵の中はどこか凛とした空気に包まれています。それでも扉を開けた瞬間にほんのりと甘く、やわらかい香りを感じます。タンクの金属面には、冬の光がやさしく反射しています。けれど、その静けさの奥に酒造りの熱気がまだ残っているように感じました。
酒蔵見学後はお迎えバスに乗って宿泊先の「昼神グランドホテル天心」へ。
バスを降りてエントランスを潜ると温かさが漂う広々としたロビーがお出迎え。高い天井でゆったりとした開放感があり、ガラス越しには中庭の植栽がのぞき自然とのつながりを感じさせます。
案内された客室は落ち着いた木の温もりが感じられる和室です。各自荷物を下ろしてお茶と和菓子をいただきながらしばしまったり。
長野県では、昔から酒の席で話題が尽きないと言われています。山間地域では寄り合いを通じて物事を決めてきた歴史があり、さまざまな意見を率直に語り合う風土が育まれてきたからかもしれません。今回の旅でも、そのような一場面がありました。
宴会前のお部屋で、先輩お二人が社会の出来事について語り合われ、次第に話が深まっていきました。お互いの考えを丁寧に述べ合う様子は、さながら小さな討論会のようでもあり、周囲も興味深く耳を傾けていました。
もちろん雰囲気は終始和やかで、話題が変わると自然とお互い笑顔に包まれました。このように語り合えるのも同窓会ならではと感じたひとときでした。
せっかく温泉宿に来たんだから宴会前に湯船に浸かろうということになり、露天風呂へ。
この宿では屋上階に大浴場、1階には露天風呂、足湯があります。昼神温泉はアルカリ性単純硫黄泉で、そのお湯は“とろり”と肌に溶けるような柔らかい感触が自慢です。
露天風呂では冷たい空気と湯けむりが溶け合い、心地よい湯加減で体が芯から温まるのを感じられました。
後藤社長、宮島さんも加わり懇親会がはじまりました。南信州の自然が育んだ旬の味覚を使った会席料理と郷土の酒喜久水大吟醸を堪能し、大いに親睦を深めました。
二次会には同窓会本部の北原幹久副会長(高23回)、長沼万里副会長(高26回)と市岡事務局長(高22回)にもご参加いただき、一層賑やかな会となりました。
支部会員の昼神グランドホテル天心吉川昌利社長(高43回)、吉田謙一副社長(同)には大変お世話になりました。
「何もないけど全部ある。」故郷南信州を再発見できた旅でした。
【旅の終わりに】
今回の旅を通して、南信州は里山や渓谷の風景、古民家宿や農泊、飯田線、そして昼神温泉や星空といった「体験価値の高い地方観光資源」を数多く持ちながら 、その魅力が十分に「見える化」されていないことも課題だと感じました。
私たち支部会員が住む中京圏にとって南信州は「週末の静かなリフレッシュの地」として確かな需要がある一方 、日帰り化・単泊化や導線の弱さが滞在価値を縮めている印象です。 故郷を離れてあらためて見つめると、南信州の強みは軽井沢、志賀高原、白馬、上高地のような代表的観光地にある「派手さ」ではなく、自然と暮らしが織りなす本物の時間にあると思います。
旅を終えてみて、南信州の価値を丁寧に伝え、旅程として結び直すことが、これからは大切ではないかと感じました。
私たち飯田高校同窓会中京支部では、久しぶりに同窓生との再会を楽しみたい方大歓迎です。お会いできることを楽しみにご連絡お待ちしております。
(高33回所澤 真)
















