8/12に阿智村を見て回る企画があり、参加してきました。今回は、阿智村全村博物館構想を推進しているガイドの林さんが案内してくださるとの事でした。最初に立ち寄った所は園原の「ははき木館」。


入り口に立っているのは湯屋守様。昼神温泉の地元だけありますね。色付きは珍しい。

館内で林さんから古代東山道についての説明。

東山道は、中央と地方を結ぶために造られた古代の五畿七道の一つで、琵琶湖の南端瀬田から宮城県の多賀城迄。距離にして1,000 ㎞に及ぶ国道でした。

この道の最大難所は神坂峠超え。道には4里ごとに駅を置いていて、通常は一駅に10頭の馬を置いていた。でもここでは、峠の両側の坂本(岐阜県)と園原に30頭の馬を置いていました。

伝説も色々あって、この建物の名前にもなっている帚木(ははきぎ)もその一つ。今は倒れてしまい根元近くの幹が残っているのみ。館内にその断片が展示されています。

バスに戻り道路を暫く上ります。最初に目につくのは駒つなぎの桜ですね。折角なので咲いている時の写真を!義経が奥州平泉への逃避行の際、この桜に馬を繋いで休んだとの伝説があります。逃避ルートには諸説あり北陸道説が有力ですが、東山道で神坂峠を超えここへ下りて来たという説もあります。つまり決め手のある定説が無いのです。

江戸彼岸の一本桜として人気です。桜の時期ともなると大変な所で、大勢の写真マニアが訪れます。車も通行止めで、ははき木館周辺の駐車場から歩かなくてはなりません。夜にはライトアップされるので、もう昼間から場所取り合戦。彼等はほぼ一日中居座っています。

この道は中央道の恵那山トンネル工事用に作られた道との事です。途中で排ガス用の煙突が見えました。バスは神坂神社へ!


神坂神社から先は道が出来ていないとの事。車で神坂峠超えは出来ません。そもそも恵那山トンネルの工事用道路ですからね。


この先は全く行けないかと言うとそうでもありません。車では無理と言うだけです。昔の東山道は残っています。でも歩くとなると、それなりの装備と覚悟が必要ですね!気楽には行けません。

社殿の向こうに見えているのは樹齢 1,000年超えの日本杉。神社の御神木ですね。

神坂神社の説明板です。海の神様を祀っているのは何故でしょう?

境内には歌碑が幾つかあります。これは万葉集にある、神人部子忍男(みねひとべのこおしお)が防人に赴く際詠んだもの。全て漢字ですね。知波夜布留・・・ちはやふる
「ちはやふる 神の神坂に幣(ぬさ)まつり 斎(いわ)う命は  母父(おもちち)がため」


これも万葉集にあるとの事。解説は読めますか?(クリックすると大きくなります)
「信濃道は 今の墾(は)り道 刈りばねに 足ふましむな 沓(くつ)はけ わが背」

バスで来た道を歩いて下り、帚木の所へ。帚木はこの林の中の道を登った先にあります。私は脚の調子がイマイチで今回は断念。

此処を下ると、暮白の滝に出ます。その手前に帚木の歌碑があります。
*帚木の 心を知らで そのはらの 道にあやなく 惑ひぬるかな (光源氏)
*数ならぬ 伏屋に生ふる 名の憂さに あるにもあらず 消ゆる帚木 (空蝉)

源氏物語の第2帖 「帚木」にあるとの事。となると、詠んだのは紫式部という事なのかな?


暮白(くれしろ)の滝を見るための滝見櫓があります。

この手前に広場があるので、車は其処へ駐車出来ます。櫓から先は道が無く行き止まりです。徒歩でなら、昔の東山道を下って駒つなぎの桜迄行く事が出来ます。

暮白の滝は、夕暮れ時にほの白く見えると言われています。滝見台からこの滝に向かって願い事を書いた皿を投げると、願いが叶うそうです。ただこの距離では、とても滝まで届きませんね^^;(皿は、門前屋または、はゝき木館にて100円で販売しています)

せっかくなので、もう少しアップでご覧ください。

滝を右に見て東山道を下ると、朝日松があります。園原地籍で一番早く朝日が差す事からこの名になったそうです。元は二股の大きな樹でしたが、昭和39年の台風で折れてしまいました。今はその代わりの松が成長しています。


東山道を更に下ります。参考までに、こんな道なのですよ。先方に次の案内板が見えますね。

伝説の姿見の池です。京の都から吉次(喜藤治とも)に嫁いだ客女姫(きゃくじょひめ)が、鏡の代わりに使ったと言われる池です。神のお告げで公家の娘が炭焼きの嫁に!押しかけ女房の元祖でしょうか^^;

東山道を更に下ると、先ほどの駒つなぎの桜に出ます。そこからまたバスに乗って、次の信濃比叡廣拯院へ。

2月に行われる火渡りの護摩行で知られていますが、どういった処でしょうか?説明板です。天台宗の開祖伝教大使最澄(さいちょう)が、峠越えをする旅人の為に無料宿泊所を建てたのが始まり。最澄は比叡山に入り延暦寺を開いた人なので、ここは信濃比叡となりました。

建物は未だ新しいのですが、歴史は古いのです。本堂より前に、この最澄の像が建てられました。比叡山にある像と同じ鋳型で造られています。

本堂に祀られているのは薬師瑠璃光如来。また延暦寺から分灯された不滅の法灯が灯され続けています。最澄の時代から燃え続けているとの事です。

お参りをして、御札を頂きました。

さて、お昼です。ランチは門前屋さんで、五平餅とざるそばのセットを頂きました。

午後からは、浪合と駒場宿へ・・・つづく!

(8/12 撮 高18回 高田)