がんばって
 7月のある日、飯田高校前の道路を通ったとき、正面玄関右側に何か白い長い物が見えた。車のスピードをゆるめてよく見ると、全国大会に出場する三つのクラブの活躍を祈る壮行の垂れ幕であった。「立派なことだ。よくやった」と感心した。
 また、そのなかに「邦楽班」の文字が見えたときは、さらにうれしい気持ちであった。
 飯田高校同窓会の上郷支部では、夏休み中の8月20日(日)午後1時から、飯田高校を会場にお借りして支部定期総会を開く。会員たちの「校舎の内部や生徒たちの活動が見たい」という要望からである。
 総会の案を立てるとき、そのことを学校側にお願いすると、「邦楽班」や「空手班」などがいち早く名乗りを上げてくれたのだ。おかげさまで、学校で総会を開くという案が成立した。
 がんばれ! 飯田高校!
私のホームページ「日刊ふるさと情報便」もどうぞ。 http://www.mis.janis.or.jp/~harahiro/

(原 博司)

 

飯田が人形で一色に変わる日
 日本各地に、大きな爪あとを残し、長野県では上田・岡谷地区で死者10人不明1人も出てしまった。被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 飯田地区でも23年ぶりの豪雨で、朝など早くから目が覚め、雨音を耳に、耐えるような気持ちで、三六災害を思い出していました。幸いあちこちで小さな崩落はあったものの、人災が無く、良かったと思っています。
 しかし 飯田では、商店街のウインドに、人形が飾られ、「いいだ人形劇フェスタ」が8月3日から6日まで開催される。夏本番である。
 1979年松沢市長の時から始まった、人形劇カーニバル 1998年より「いいだ人形劇フェスタ」に名前は替わったものの、今年で28回目 世界各国から、約180劇団による300ステージが文化会館・各公民館を始め 神社仏閣境内に至まで 137箇所に於いて行われる。どの会場でも、汗をかき真ん丸い目をして、見入る子供の顔がなんとも可愛い。
 クライマックスは、5日 飯田りんごんである。各地区、団体、学校のクラス、等に、劇団員が加わり、飯田の町を練り歩く、これが、飯田の暑い夏の始まりだ。長野ビンズル 松本ぼんぼん 飯田りんごん 共に有名である。
 夏は、行事も目白押し、「第18回アフィニス夏の音楽祭」世界で活躍する音楽家と 日本のプロオーケストラ団員とのレッスン風景・演奏会・音楽室が 8月17日~25日まで 飯田文化会館・中央公民館で行われる。
 飯田美術博物館では、富岡鉄斎展 7月22日~8月20日まで 等々。
 (写真 市内に飾られた人形とたて看板、崩落の今宮神社境内)
  

(斎藤 純)

 

水の恐ろしさ
 先月、信州のような山国に住む者が、“水の恵”を受けられるありがたさを記したばかりなのに・・・。七月の大雨は二十数年ぶりとか・・・。「水の恐ろしさ」を思い出すことになりました。
 川路駅から飯田高松高校へ通っている時代なども、梅雨時や、 台風などで、川路付近の天竜川の氾濫を見てきました。川路小学校など一階部分は完全に水没していたことを思い出します。
 先輩の話では、「昔はしょっちゅう氾濫していた。終戦の年か翌年か、川路の小学校へ洪水の後始末に飯田中学から大勢で行ったことがある。門島・満島にダムが出来て川路は氾濫の犠牲になってた」とのこと。
 現在、川路付近は中部電力の補償もあり、堤防とともにその周辺の広大な土地も埋め立てられて整備され、今回の大雨では被害が出なかったようです。しかし、地元の人の話では、あと5メートルくらいで濁流は堤防を超えたのでは・・・とのことでした。
 “山の湧き水”のように美しい水も、いったん暴れだすとその威力は人間の力ではどうしようもないくらい恐ろしい・・・。左の写真は、7月19日、駐車場あたりまで濁流に洗われている天竜峡の、元“しぶき荘”、右は7月31日、濁流に洗われた跡が残る元“しぶき荘”付近。

(原 健彦)

 

見直し
 ご存知のように今雨季の雨量は非常に多く、長野県も各地で災害が発生しました。遭われた方々には早い復興を望んでやみません。幸い飯田下伊那では人への害はなかったようですが浸水が少しあったようで、数億円の被害が出ました。
 天龍川の水位が流入河川の水位より高くなれば、逆流を防ぐため堰き止めて、ポンプアップで排出するのは計画通りだったでしょう。造った時の安全率はある程度とっていたと思います。ただその後の見直しはしていたのでしょうか。舗装などにより地表の浸透率は低下しています。また、田んぼなど減少により雨水の一時期調節機能も減少傾向です。当然河川への雨水流入タイムラグは小さくなり、大量の雨が一度に流れ込むことになります。結果が今回の浸水ではないかと思います。36災害の教訓が生かされていたから最小限の被害で済んだものの、その後の環境変化を加味した対策はとれていたのでしょうか。
 写真は県内災害多発の翌日、飯田市内を流れている松川の川縁です。倒された木の太さから、長い年月これだけの流量(水圧)がなかったことが解ります。もっと細かった時にも倒されなかったのですから。

(西尾 秀文)

 

10日遅れの梅雨明け、暑い夏が・・・


 各地に大きな爪跡を残した7月15日からの連日の豪雨。
 更にその後も天候は回復せず、日本列島に停滞する梅雨前線。「ひょっとしたら今年の梅雨明けは8月にずれ込むのでは・・・」との予測もあったが、それを何とか裏切って、7月30日、「・・、甲信・・地方では梅雨が明けたものと思われる」との発表。ギリギリ7月中の宣言が間に合った。平年を10日遅れてということで、これも正に異常気象そのものか。
 土砂崩れや河川の氾濫による人的、物的被害は元より、気象の変化が果樹や農作物に及ぼす影響も大なるところ。例年だったらこの時期、やはりふるさとを代表する果物のひとつ”桃”が最も美味しい時だが、収穫が大分遅れている模様。今から実りの秋が心配されるところでもある。
 ところで、この梅雨明け宣言を待っていたかのような酷暑が足下にやってきた。
 そして、長野県はこの一週間、特に熱い夏となる。
 全国的に何かと注目されて来た田中康夫知事が3度目の栄光の座に就くのか、はたまた新人の(と云っても行政や国政ではベテランの)村井仁新知事の誕生となるのか。この8月6日には県民の審判が下る。正に、熱い暑い一日となろう。
  

(槙原 英勝)

 

新宿へ行くもうひとつの方法
 飯田から新宿へ行く最も便利な方法と言えば、飯田バスターミナルと新宿駅西口を結ぶ中央高速バス(1日17往復)でしょう。
 最近、阿智村に住んでいる人に聞いたんですが、彼女はJR東海バスの「中央ライナー号」を利用しているそうです。このバスは、名古屋駅桜通口と新宿駅新南口を結んでおり、1日6往復しています。
 「中央ライナー号」は、名古屋駅を発車すると、最後の乗車停留所が「中央道昼神温泉」バス停で、途中諏訪湖SAと談合坂SAの2ヶ所で休憩するそうです。
 そして、運が良ければダブルデッカー車(2階建バス)に乗る事ができ、この車両は座席も3列なので、隣りの人と袖が触れ合う事もありません。運賃は片道4,100円、往復だと7,000円で、「早売14」、「ネット割」などの割引を利用する事もできます。もちろん「学割」もあります。
 「中央道昼神温泉」から新宿駅までの所要時間は4時間です。阿智PAの近くにお住まいの方、1度お試しを。

 さて、今月のオススメは、「石狩平野」 上下巻(船山 馨著 新潮文庫)。明治・大正・昭和を生きた主人公・鶴代の生涯を描いた長編小説。明治14年、13歳で家族とともに新潟から北海道に渡るところに始まり、77歳になった昭和20年に東京で空襲に遭って孫娘夫婦を失い、孫娘の遺児二人とともに再び北海道を目指すところで終わっています。上・下巻で約1,600ページあり、細かい字なのでかなり読み応えがありますが、既に絶版になっているようで、書店では入手困難でしょう。
 (左側の写真は、昨年1月30日、右側は今年の7月19日に自宅の2階から撮影した天竜川)

(高橋 秀治)