艶やかな花桃と控えめな山桜
 (花桃発祥の木と福澤諭吉の娘婿・日本の電力の王といわれる福澤桃助)
 五月に入り、南信州では、“清楚な、ソメイヨシノ、エド彼岸桜”などの季節が終わり、“艶やかな花桃”の季節となっている。もっとも標高の低いところでは、四月中旬からサクラと花桃とが同時に咲いているところもあった。
 ゴールデンウイークの時期、今年は、阿智村園原の花桃の里では花桃が満開になっている。近年この花桃を観るために県内外からも大勢の人が訪れるようになった。
 “花桃”は、日本ではそれほど昔からあったものではない。阿智村では“出作り小屋”で有名な清内路の標高8百メートル位のところにある小屋の近くに植えられたものが“花桃発祥の木”といわれている(写真上左。今はこの“出作り小屋”は使われていなくて朽ち果てようとしている。写真上右はそこにある説明看板)。
 ここにある説明によれば、花桃は、福澤諭吉の娘婿である福沢桃助(日本の電力の発展に多大の貢献をし、電力王といわれている)がドイツから持ち帰り、南木曽に作った須原発電所に植えたものが最初で、その苗木を清内路に移植したのがこの写真の花桃であるとのことである。その後、更に各地に移植して、現在のように、いろいろなところで見ることができるようになったらしい。

 ちょうどこの花桃の時期には、“山桜”が、己を誇ることもなく、山奥でひっそりと新緑の山の中で、若芽とともに咲いている(写真下左、右)。今年は特にこの“山桜”がきれいである。地元の人の話では、今年は鳥がサクラの芽をあまり食べてしまわなかったからだとのことである。


 
 「三遠南信」ガイドブックのご紹介

 さてまた、3月のこのコーナーに引き続き「三遠南信」の話題である。
 去る3月末、浜松市役所企画課に事務局を置くという「三遠南信地域連携ビジョン推進会議(SENA)」から、“自然・人・文化を繋ぐ–三遠南信–”というガイドブックが発刊され、役所や観光案内所、ガイドコーナーなどで配布されている。
 前回紹介した「広報いいだ」もそうだが、これまでも各種のガイドブック、パンフレット、広報資料などが用意され、三遠南信自動車道の建設計画や圏域の将来振興ビジョンを分かりやすく解説したり、自然や名産、観光を興味深く案内してくれていたが、今回のガイドブックは、タイトルの通り、この地域の曾てからの深い結び付き、人々の交流や産業、文化の連携・振興の背景や歴史などか詳しく綴られ、旨く編集されている。
 コーヒータイムの、一寸一息の読み物としてもお薦めだし、事前に目を通して三遠南信の旅に出掛けたら、また一段と意義深い散策となるものと推薦したいと思う。
 因みに、ガイドブックの表紙を繰ると、“三遠南信の今昔”として、秋葉街道・三州街道「塩の道」や、廃藩置県とこの地域の変遷、明治以降の産業集積や振興の様子などについて、セピア色の写真と共に綴られて行く。

 

(槙原 英勝)


季節の味
 4月の下旬に早起き野球のリーグ戦が始まりましたが、開幕試合となった26日の朝5時頃、クルマに乗ろうとしたらフロントガラスが凍っていて驚いてしまいました。
 写真は、それより3日前に自宅で採れたタラノメです。この日の夕食のメニューは、このタラノメを含めた天ぷらでした。
 27日の夜、今度は夜間ソフトボールの開会式がありました。終わった後、チームのメンバーで一杯飲みました。その際、これも天ぷらにすると旨いコシアブラの話が出ましたが、今年はちょっと遅いようです。
 ゴールデン・ウイークに入り、天気の良い日が続いているので、もう天ぷらにして食べて人がいるかもしれません。
 私には5連休となったゴールデン・ウイークですが、両親は毎年恒例の旅行に出かけ、ヨメは2日と4日を除いて勤務となっているので、3日と5日の夕食は、私が作らないといけません。
 5日の夕食はカレーにしようかと考えているのですが、今晩(3日)のメニューはどうしようかと悩んでいます。普段夕食の準備をしてくれる母とヨメの大変さがちょっと分かったこの連休です。

 

(高橋 秀治)

  

     

  

環境モデル都市飯田が動く

 「地域ぐるみ環境ISO研究会」が温室効果ガス削減に挑む。研究会代表 萩本範文 多摩川精機社長(高15)、会員31社が、先日、飯田市役所に於いて温室効果ガス排出削減の先導的立場に立ち、プロジェクトチームを組織化すると共に、50%削減の目標を掲げた。
 飯田市では、環境モデル都市の取り組みで、2030年までに30~40%削減、2050年までに、70%削減を打ち出している。研究会では各事業所で2008~2009年の排出量集計をしたが99,610トンにものぼり、従業員1人あたり年間15トンだった。今も継続集計しているが、削減の難しさは、本気で取り組まないと出来ない数字であると、改めて気を引き締めている。
 飯田市では本町とりんご並木角に「21世紀環境共生型モデルハウス“エコハウス”」を建設した。省エネ住宅の魅力を知ってもらい、省エネの普及に力を入れていく。ノーマイカーデーを設定したり、自転車130台を市民・施設に貸し出して、半年が過ぎた。市地球温暖化対策課は、「温暖化防止や、健康つくりに自転車を」と更なる広がりを期待している。
 市民活動では、前回も紹介した、生ごみ処理で市内に花壇を作ったり、緑化祭では、木の苗木を配布し、豊かな、緑の街を創造している。また「信州グリーンパワープラント」代表の、羽場さん(飯田市中村)、木の端材や、枯れ草などを燃やし蒸気でタービン発電を考案した。自計・自作で、小型車試作を完成させ、なおも、小水力発電装置に取り組んでいる。 更なる取り組みを期待する。
 (羽場さんの写真は信濃毎日新聞より)

 

(斎藤 純)