泰阜北小学校の学校美術館のその後
 今年も、町村合併のあおりを受けて南信州でも小中学校が廃止、合併された。その中の一つが、泰阜北、南小学校の閉校と新・泰阜小学校の誕生である。泰阜北小学校は全国でも珍しい学校美術館を持っていたので、この学校美術館がどうなったかと訪れてみた。
 泰阜北小学校は、山村の緑に囲まれた位置にあり、初期の学校美術館は今でも、緑の中に埋もれるかのように建っている(写真上左)。新しい泰阜小学校は、既に建設されていた泰阜中学校と同じ敷地内にあり、天竜川の東岸に建ち、天竜川を隔てて対岸の阿南町、遠くには下條村の部落までを望むことができる(写真上右)。
 新しい学校美術館は近代化された感じの新しい建物の中にあった(写真下左)。建物は異なっても、展示されている美術品は昔のままである(写真下右)。これまでと同様に、学校美術館の管理は教頭先生の仕事とのことで参観者には教頭先生が案内してくれた。所蔵品の保管・管理も新校舎に移ってからは、以前より良くなったとか。昔の美術館に懐かしさを覚えるのは当然であるが、新しい学校美術館も、昔の良さに加え、なにかが良くなって継続されているようである。

(原 健彦)

 

モリアオガエル

 この時期になると決まって一度や二度は、モリアオガエルのことが地元紙に取り上げられて記事になる。草や木の葉先に今にも落ちそうに危なげに吊るされた卵の写真。“マシュマロのお化け”と言った子供がいたが、さながら、床屋で髭を当たられる時のあのキメ細かな、何とも感触の良いふんわりしたシャンプーを連想させる真っ白い泡状の卵の写真と共に紹介される。
 先日、6月26日の南信州新聞には、浪合・治部坂高原の「亀の池」が出ていたが、長野県の天然記念物に指定されているモリアオガエルの生息地としては、飯田市が南信地区の北限になるとのことで、特に、上郷野底山のカエル沼周辺や森林公園、風越山山麓公園一帯、大平などが有名な産卵、生息の場所である。
 そうした中に実は、我が生家の堤には、人知れず、多分、数十年も更にはもっと以前からか、我が物顔で住み着いて来ただろう一族が居て、今年もそろそろ、白い泡からポトリポトリと水面めがけたダイビングが始まる時となった。
 人里を離れた“桃源郷”。正に、カエルの王国、カエルの天下。

(槙原 英勝)

 

市政報告会
 ある市議会議員の市政報告会に出る機会がありました。報告会の中で注目したのは、リニア中央新幹線の話題です。
 基本計画は3つのルートを想定していますが、JR東海が想定しているのは、南アルプスを貫通させ、東京と名古屋を直線的に結ぶCルートです。
 Cルートが実現すれば、東京が1時間圏内、名古屋が30分圏内、大阪が2時間圏内に含まれることになります。工事費はCルートが一番安く5兆1000億円ですが、JR東海としては、これが限界のようです。ちなみに、Aルートが5兆6300億円、Bルートが5兆7400億円と試算されています。
 仮に飯田駅が実現した場合の話ですが、費用についてJR東海は地元負担を主張しており、いったい費用はどれくらいかかるのでしょうか。建設が中止となった東海道新幹線の「びわこ栗東駅」ですが、240億円くらいの費用が予想されており、飯田駅整備には、250~350億円が必要ではないかと言われています。
 飯田商工会議所では、「リニアサポーター募集!」と銘打って「リニア中央新幹線飯田駅設置推進協議会」を立ち上げ、目標金額20億円を掲げて今月1日より一口1000円で浄財募集を始めました。
 Cルートが実現するのかどうか、見守っていきたいと思います。

(高橋 秀治)

 

  

  

 

 再び生まれ変わる飯田城「赤門」

 飯田城の唯一の遺構「桜丸御門」5月に始まった改修工事。瓦を外し、こけら板ふきの屋根が露わになって6月半ばに見学会が開かれた。
 大規模改修工事は、25年ぶりで、竣工は、8月末予定との事。工事過程で、明治33年付 大工の名が記せられた棟札が発見されている。最も古い最初の改修工事であろう。図らずも飯田高校誕生の年、110年前。
 切妻そりや、垂木など構造のすばらしさを建築士会関係者が1つ1つ観察している。飯田高校110周年のこの年に、飯田のシンボル「赤門」が再び甦る。
(写真は改修前の赤門と、瓦が外された屋根、4月追手町小学校入学の時1週間開門される赤門。)
 (飯田合同庁舎敷地にある為に,カメラアングルが良くない)