第8回「飯田ゆかりの地を歩こう会」報告

 去る10月18日(土)に、好天のもと、第8回「飯田ゆかりの地を歩こう会」が開催され、史上最多の43名が参加しました。コースは次のとおり:東京駅→皇居本丸跡→東京国立近代美術館→昼食→専修大学→御茶ノ水駅 (案内パンフレット参照)
 今回の歩こう会は、東京国立近代美術館で開催されている「菱田春草展」(9/23~11/3)がメインで、10/15からの「後半」を鑑賞しました。この展示会は飯田が誇る巨匠・菱田春草の生誕140周年を記念して、大々的に展示されたものです。

 「菱田春草展」では、国の重要指定文化財の「黒き猫」「落葉」「王昭君」「賢首菩薩」も展示されますが、国の重要文化財指定を受けた作品を4つ持つ画家は菱田春草だけだそうです。後半では、このうち「黒き猫」「王昭君」「賢首菩薩」を鑑賞でき、合計85点の作品を鑑賞しました。
 岡倉天心や横山大観が絶賛した菱田春草は「朦朧体」といわれる手法を得意としていましたが、研究熱心な春草は試行錯誤して、「金銀体」の手法をも取り入れていきました。重要文化財の「黒き猫」や9mに及ぶ「四季山水」の素晴らしさは圧巻であり、我々を魅了しました。春草ワールドを堪能することができたと思います。それにしても天才・春草が36歳で夭折したことが残念です。春草展パンフレット

 北の丸公園内の科学技術館の地下レストランで昼食を摂ったあと、神保町にある専修大学の今村力三郎の碑を訪ねました。今村力三郎については、在京飯田高校同窓会副会長でもある弁護士の本島信さん(高11回)と「歩こう会」会長の脚本家・牧内雪彦さん(中47回)のお二人からそれぞれ貴重なお話を伺うことができました。
 今村力三郎は明治から昭和にかけて活躍した飯田出身の弁護士で、足尾鉱毒事件、大逆事件、シーメンス事件、帝人事件、五・一五事件などの弁護を担当し、被告の人権擁護に尽くしました。杉並区の屋敷や修善寺の別邸を専修大に寄付しました。昭和21年に専修大総長に就任し、生田校舎を建設しました。
 専修大学の「今村力三郎記念ホール」に移動し、今村弁護士の貴重な資料を観ることができました。記念ホールは普段は談話室ですが、世話役の下島明さん(高19回)が下見時に我々が訪問することを伝えていたため、わざわざ飯田ゆかりの資料を展示してくれました。

 専修大学からお茶の水まで移動し、駅前のビアホールで懇親会を行いました。下島明さんが作成した恒例の歴史クイズや参加者全員(32名)のスピーチで大いに盛り上がりました。こうして第8回歩こう会は盛況のうちに終了しました。 (文責:大原直(高 21 回))

写真はこちら(松原秀幸さん(高19回)撮影)
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