第4回「飯田ゆかりの地を歩こう会」報告

10月27日(土)に「第4回飯田ゆかりの地を歩こう会」が、37名の参加のもと開催されました。当日は絶好の日和に恵まれました。
朝10時に目白駅に集合し、学習院大学を皮切りに、田中角栄邸、野間記念館、永青文庫、早稲田大学、穴八幡神社を見学し、高田馬場駅近くのビアホールで懇親会を開きました。
各場所の案内は、「歩こう会」会長の牧内雪彦さん(中47回)、早稲田大学名誉評議員の矢澤酉ニさん(中47回)および世話役の下島明さん(高19回)にして戴きました。

一行は目白駅隣にある学習院大学構内を通り抜け、目白通りに沿って歩きました。まず、田中角栄邸横の公園で、田中角栄が買った屋敷が須坂藩堀家跡であった経緯等が牧内さんから説明されました。

次に、講談社野間記念館で「横山大観と再興院展の仲間達」を観賞しました。横山大観は芸大の岡倉天心に菱田春草とともに師事し、日本画壇の巨星と謳われました。しかし、残念ながら菱田春草の絵はありませんでした。

つぎに、近くの細川家屋敷跡の一隅にある永青文庫を訪ねました。永青文庫では先週まで菱田春草展が開催されており、「歩こう会」としては非常に残念でした。 永青文庫から胸突坂を下り、早稲田大学構内へ移動し、大隈ガーデンハウスカフェテリアで昼食を摂りました。

昼食後は、学徒動員で戦死した3800名の慰霊碑について矢澤さんからの説明を受けた後、演劇博物館(通称:えんぱく)を訪ねました。 「えんぱく」は、英文学者の坪内逍遥が19年掛けてシェイクスピアを翻訳完成したことを記念して昭和3年に設立されたもので、日本で唯一演劇を専門的に扱う博物館として知られています。館内には、シェイクスピアに関する蔵書など古今東西の多数の演劇資料が集められており、また能・狂言、歌舞伎、人形浄瑠璃など日本の伝統文化の殆どすべてが集められています。 「えんぱく」を支えた飯田高校同窓生は数多く、(以下敬称略)逍遥に師事した河竹繁俊(旧姓市村)、日夏耿之介、林京平の大先輩もおられます。 河竹繁俊(旧姓市村、中6回、山本出身)は逍遥の紹介で、歌舞伎作者の河竹黙阿弥の養子となり、黙阿弥全集をまとめています。「えんぱく」の館長、早大名誉教授を務めました。

日夏耿之介は飯田市名誉市民第1号ですが、明治23年に飯田に生まれました。大正3年に早稲田大学英文科を卒業しましたが、病を得て5年間床に伏した後、大正8年、母校早大に英文学者として職を奉じています。 林京平さん(中41回)は昨年亡くなられましたが、坪内逍遥の研究の第一人者として長く逍遥協会の理事長を務められました。
林京平さんは一昨年の「稲穂」第7号に「逍遥と黙阿弥と河竹繁俊」を執筆されています。 なお、矢澤さんによれば、現在、飯田高校出身の早大教授の数は5名だそうです。

早大を出た後、一陽来復の御守で有名な穴八幡神社をお参りし、その後高田馬場に移動し、参加者37名中35名がビアホールで楽しく打ち上げを行いました。参加者全員の自己紹介を行った後、恒例となった下島さん作成の歴史クイズが出され、会は大いに盛り上がりました。
こうして、「第4回歩こう会」は成功裡に終了しました。

来年の春に第5回歩こう会を開催する予定ですのでご案内したいと思います。 榊原さん(高31回)が撮影してくれた写真を添付します。 (文責:大原直(高21回)) コースの詳細

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